定年後再雇用者のモチベーションを維持できる賃金評価制度の設計

1. 各種調査によれば、定年後再雇用者にかかわる最大の問題点は、定年前と同じ仕事をしていても、賃金水準が定年前の60%~70%程度に減額されることや仕事に対する努力や結果が評価されないことにあります。

★定年後再雇用者の賃金決定上の問題点解決方向

定年後再雇用者の賃金引き下げの理由は、定年前の高年齢者の賃金は年功制により高水準になったもので、働き以上に高くなっているから、定年退職後は市場賃金水準に合わせて大幅に下げるのが妥当であるとの考えによるものです。

しかし、仕事は変わらないのに賃金が下がるので納得性が得られません。再雇用者のモチベーションを下げ、企業業績の向上につながりません。
賃金減額が、役割、職務、能力、成果、勤労意欲といった本人の努力にかかわりなく、再雇用者であることに起因しているからです。

2. 再雇用者が同一の仕事に従事するものの、競争力を勘案して基本給を下げざるを得ないのも経営ニーズではあります。 そこで必要なことは、その根拠を明確にすることです。

それには再雇用者の基本給を、役割そのものに支払う役割給と役割の達成内容即ち実績に支払う実績給に再構成し、再雇用者の役割が定年前より低下した故に、基本給が低減するという根拠を明確にする必要があります。  

役割は再雇用者が自らの役割を認識し、何をなせば自己の存在意義・役割を果たしたといえるかとの問題意識から、これまで蓄積してきた専門知識、技術・技能、経験、ノウハウ等を活かし、存在意義に相応しい業務課題として設定します。この課題の難易度と挑戦意欲を役割評価して役割給を決めます。

役割がどの程度達成されたかを評価するのが実績評価です。実績評価により実績給が決まります。再雇用者の実績評価は、賃金水準面からも、また能力の開発向上より活用に重点が置かれることから昇給をも実施する必要はありませんので、能力・勤労意欲面の実績評価は行なわず、それらも含めて役割の達成度として総合的に実績評価を行ないます。

★役割給と実績給

★高齢者のやる気をベースにした自律型役割給・実績給制度設計の考え方

再雇用者の意欲と誇りに基づく賃金決定は、再雇用者自らが設定する役割とその実績に応じて賃金を決定することで可能となります。

この役割給と実績給の基本給体系には、上記の他に次のような利点があり、貴社のニーズ解決に適うのではないかと思います。

●残業割増賃金を1.25でなく0.25ですませることができます。

●昇給やベースアップをしないでも人事考課の結果が反映でき、基本給の増減管理運用が可能となります。

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